コーヒー好きな方は、お部屋のインテリアとしてコーヒーノキを置きたいなぁと思うのではないでしょうか。
赤い実をつけたコーヒーから、脱穀、焙煎と行い、自分で育てた木からコーヒーを飲む。
コーヒー好きの極みですよね。
日本でもコーヒーの苗は通販などで比較的よく目にしますが、そもそも熱帯地域の植物を日本で育てることが出来るのか。
そんなことも含めて、コーヒーの栽培について少しご紹介いたします。
そもそもコーヒーは世界約60か国で生産・輸出されています。
アカネ科コフィア属に属するコーヒーノキは常緑樹であり、赤い実の中の種子がコーヒービーンとなります。
通常は赤い実の中に2個の種子が向かい合って入っていますが(フラットビーン)、まれに丸い1個の種子しか入っていないものもあり(ピーベリー)、全体の10%ほどしかなく、ピーベリーは希少性が高いとされています。
コーヒーの種子を蒔いてから40-50日で発芽、その後2-3年でジャスミンのような香りを放つ白い花を付けます。
この白い花は2-3日で茶色く変色してしまうのですが、その間に受粉できたものは種子を形成することができます。
風や虫の力によって他の木から花粉が運ばれて受粉(他家受粉)するものはロブストなどでおなじみのカネフォラ種、ティピカやブルボンでおなじみのアラビカ種は自身の花同士で受粉できる自家受粉という形態になります。
その後緑色に実ったコーヒーチェリーは赤く熟していきます。
一般にアラビカ種の方が早く熟し、カネフォラ種の方は熟すまでに9-11カ月を要します。
このコーヒーチェリーは一斉に熟すわけではなく、枝の根本から枝先に向けて順番に赤く熟します。
そのため収穫する際には熟した実を選別して摘み取る必要があります。
ブラジルのような広大な土地で勾配の少ない土地であれば、積極的に機械による収穫も導入されています。
手摘みだと人の目で見て収穫できるため未熟な実の混入を減らせますが、どうしても人件費がかさむデメリットもあります。
コーヒー農園ではバナナなどの樹木も一緒に育てられることがよく見られます。
コーヒーノキは適度な日当たりが必要な反面、長時間の直射日光は葉焼けを起こす原因となります。
そのためバナナの木などが適切な日陰を作る(シェードツリー)役割を担っています。
またバナナの葉をコーヒーノキの根本に敷くことで土壌の乾燥防止や土壌有機物の分解促進の役割も担います(マルチング)。
なのでお部屋でコーヒーノキを育てられる方は、綿棒などで受粉のお手伝いをしたり、日光の照射時間を調整するといいかと思います。
植物は光合成によって自身の栄養を作り出しますが、土壌の栄養分が足りていないと大きく味が変わります。
コーヒーも他の植物と同様に窒素やリンやカリウムの追肥を行い、成長の促進やより良い果実を作ります。
窒素は木が大きくなる勢いが増し、リンは根の成長促進、カリウムは果実の成長に必須となります。
その他にもホウ素、亜鉛、カルシウム、マンガン等の土壌中の微量元素と呼ばれる、わずかしか含まれないが大切な成分も欠乏しないようにケアします。
また観賞用の栽培では不要だと思いますが、樹齢を重ねコーヒーチェリーの収穫量が少なくなった木にはカットバックという作業を行います。
これは幹をバッサリ切り落とし、切り株の状態にして、そこから新しい芽が出てくる若返り技術にようなものです。
話はそれましたが、コーヒーの栽培には肥料も大切なので覚えておいてください。
いかがだったでしょうか。
お家にコーヒーノキがあるなんておしゃれですよね。
ぜひご興味がございましたら挑戦してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。