コーヒーってとても個性豊かで、いろいろ飲み比べると本当に楽しいですよね。
コーヒーの品種で味や香りが違うのはもちろん、国ごとの土壌や気候や雨量によっても大きく変わります。
産地ごとの風味特性の違いが大きく表れます。
そしてコーヒーの精製方法によってもかなり風味特性が変わってきます。
今日はコーヒーの精製方法の違いと、新しく入荷した「アナエロビックナチュラル」のコーヒーについてもご紹介いたします。
コーヒーの始まりは、コーヒーチェリーの収穫から始まります。
ここで人の目による手摘みと機械で収穫する方法とあります。
どちらも一長一短あります。
手済みはどのぐらい赤く熟しているかを目で見て確認するのでコーヒーチェリーの熟度がきれいに揃うことが多いです。
しかし働き手が多く必要なので人件費が多くかかること、収穫する人によって熟度にばらつきが出やすいこともあります。
どこの国とは言いませんが、適当に仕事をしている人が収穫すると、機械で摘み取った時より未熟果実が混ざることもあります。
機械での収穫は、とにかく早く、かつ人件費も大きく抑えられます。
その反面、大きな農園でないと導入しにくいこと、傾斜が緩い農園でないと使えないこと、機械収穫に向いている品種でないといけないことなどがあります。
いずれにしても収穫されたチェリーはゴミを取り除き選別が行われいます。
ここから精製方法の違いによって処理方法が変わってきます。
まず”ナチュラル”という方法ですが、選別が終わったチェリーをそのまま天日干しなどで乾燥させます。
地域によってレンガなどの地面に直接転がしたり、腰高のアフリカンベットという台に乗せて乾かしたりします。
一番オリジナルの方法に近く、大きな設備が必要ないため現在でもエチオピアなどの多くの地域で行われています。
天日干しをしたチェリーは上の写真のように黒く変色します。
実はチェリーの熟度が足りなかったり、熟しすぎていたり(過熟)していても天日干しを行うと同じように黒くなります。
つまり熟度がバラバラであっても天日干しの後では判別がつかなくなるという問題があります。
もちろんコーヒーの味は熟度の均一性にも大きく影響されるので、いかに収穫時に熟度を揃えるかが大切になります。
もう一つのメジャーな精製方法に「ウォッシュド」というものがあります。
これは選別を終えたコーヒーチェリーをパルパーという機械に通します。
ここで皮や果肉を取り除き、粘液質のミューシレージという層が見える状態にします。
このパルパーは熟していないコーヒーチェリーが通っても、熟して柔らかくなっていないため剥けないんです。
人の目の選別とはまた別の選別が入るため熟度はより揃ったコーヒーになりやすいです。
そしてミューシレージをバクテリアの力で分解してもらうため、発酵槽に漬け込みます。
果肉までついた状態で乾燥と発酵を行うナチュラルと、ミューシレージまでしてしまってから発酵させるウォッシュドとは大きく製法もことなり、味や風味も大きく異なります。
当店ではエチオピアのイルガチェフェの浅煎りの豆を2種類ご用意しております。
同じ水洗工場の豆で、ナチュラルとウォッシュドの違いを実際に試飲で体験することができます。
話がそれましたが、今回新しく入荷しました「アナエロビック・ナチュラル」は、ナチュラル製法の一歩先をいったようなものになります。
アナエロビックとは英語で書くと「Anaerobic fermentation」、日本語で訳すと「嫌気性発酵」となります。
コーヒーチェリーを収穫したのち天日乾燥しながら酸素に触れながら発行するナチュラル製法と異なり、樽のようなものにチェリーを入れて空気と触れないように発酵させる製法です。
もともとワインなどで使われている製法の一種ではあるのですが、コーヒーにまた違った風味特性が現れます。
より濃厚でモッタリとした柑橘系の香りになったり、豆の種類によってはシナモンのような風味が出てくることもあるそうです。
今回入荷したニカラグアのアナエロビック・ナチュラルはオレンジのような濃厚な甘さを感じる酸味、アメリカンチェリーやプラムのような濃厚な香りが特徴となります。
ぜひ店頭の試飲コーナーでこの美味しさを体感してみてください。